太っている人は、他人と同じ生活をしていたら太ったのだ。太ろうとして太ったのではないし、食べたくもないものを食べて太ったのではない。太っていない人は、単に食欲が旺盛でなかったり間食を好まないだけで、死にもの狂いで食べることを我慢しているのではない。
太っているのは我慢が足りないからだと言う人もいるだろう。まったく間違っている。白いものを指して黒いと言っているのと等しい。よけいに食べる人は我慢弱くあろうとしたのではない。生まれて、教育されて、周囲から影響を受けて、本人の意思にかかわらず、我慢弱い人間になってしまったのだ。その人の責任ではない。
太っている人は、太っていない人と同じように、欲求を満たし、我慢できることは我慢し、そうやって生きてきた。表に現れる行動は異なっていても、精神や魂がやっていることは同じだ。あらゆる人間は、可能なことをやり、不可能なことをやっていない。ただそれだけだ。
