悪い書き方を指摘してよい書き方に直す、という視点で 77 題が挙げられている。およそ 1 題が 2 ページの配分。注意点を見出に立て手短に解説し、豊富な例文と修正例が示される。注目部にはマーカーが引かれて分かりやすい。余白が多く字が詰まっていないので読みやすく、楽な心持ちで当たることができる。 11 あるコラムも有用な話で構成されていて興味深い。
ヒント 03 の終わりに「相手を思いやる」ということが出てくる。文章力の話を通じて生き方にまで言及されているようで言葉の重みを感じる。文章には人生が表れるのかもしれない、そんなことを思った。
文として問題を含んだ「原文」と、それを修正した「改善」が示される。「改善」において、修正されてはいるものの「原文」が持つニュアンスを失っていたり、新たな問題が発生していたりする。読んでいて気持ちがざわつく。ただ、そのせいで自分なりの「改善」を考えてしまうことが有意義な読書につながっている気もする。
目次
- 第 1 章 短く書く
- 第 2 章 文の前半と後半が手をつなぐ
- 第 3 章 分かりやすく書く
- 第 4 章 簡潔に書く
- 第 5 章 的確に書く
- 第 6 章 どんな内容を、どう構成するか
- 第 7 章 「てにをは」を大切にする
- 第 8 章 読点をどこに打つか
- 第 9 章 表記と視覚効果にも心を配る
- 第 10 章 共感が得られるように書く
- 第 11 章 話し言葉の影響を避ける