実践的な内容です。多くの本ではプロットの立て方や読者に訴える要素など、物語の構造について書かれています。この本では「何を語るか」という観点で、物語の内容について書かれています。
序盤では世界観と言うより物語の始め方について示されています。独自の視点で語られているので他のハウツー本とは異なる知見が得られるように思います。
中盤では魔法の仕組みをどう扱うかについて日本では見かけない視点で解説されています。J・R・R・トールキン「指輪物語」から受け継がれる旧来的・本格的なファンタジーでの魔法の姿が見て取れます。
終盤では「多神教や帝国が成り立つために必要なものは何か」というリアルな世界観を作るのに有用な視点が示されています。ただ、多神教や帝国についての造詣が深い人はそれほどいないだろうし、実際の姿を取り入れてもリアリティにつながるかは疑問が残ります。
創作の技術とは関係の薄い、特定の作品に関する評論がいくらかあります。実例という意味では有用なのかもしれませんが、僕が対象作品を知らないことも含めて無用に感じました。
