カメリアの記事

意味があることやないことを綴ります

お客様は神様ではないが誠実に応対すべき

「お客様は神様です、と思っていたけど迷惑な客は侵入者だと思うことにした」というようなツイートを見かけました。どうしてそんな思い違いになるのか、と嘆かざるを得ません。仰ることが何でも正しく、何でも言われるままにサービスしなくてはならないと勘違いしているのでしょうか。お客様は神様ではありません。店員と対等の人間であり、対等の人間として最良のサービスを提供するのが店側が行うべき仕事です。

最良のサービスと聞いてやはり神扱いするのかと思う人がいるかもしれませんが、最良のサービスとは当然のことですが、可能な限りのものです。対価としていただく料金に見合っていて、オーバークオリティにならないことも最良であることの一要素です。必要十分なクオリティの中でできる限りのことを提供することこそ最良のサービスなのです。

その上で、お客様にはみな平等に接するべきです。失礼な態度のお客様に雑なサービスを提供すべきではありません。贔屓にしてくださるお客様に特別上等なサービスを提供すべきではありません。度を超していなければ、平等なサービスが提供されるべきなのです。それが誠実というものではないでしょうか。誠実であることは最低限度のサービスです。それは人としてのあり方と同じです。人間性の根底にあるべき資質、それは誠実さなのです。

ところで、礼を失したお客様に礼を持って応対すべきでしょうか。礼に礼を持って対するのは当然ですが、相手がそうでなかったら。つい雑な扱いになるかもしれませんが、しかし、やはり平等なサービスが提供されるべきです。相手の出方によって出したり引っこめたりするのが礼でしょうか。いいえ。そんなものは礼とは呼べません。気分次第で態度を変えるような不誠実な振る舞いに礼があるとは言えないのです。無礼な相手にへこへこするのはプライドが傷つくでしょうけれど、それは自分の器が小さいだけです。恥ずべきであり、お客様に反発すべきではありません。

度の過ぎた振る舞いをされるお客様もいらっしゃるでしょう。店側に害があるとか、他のお客様に迷惑だとか。それでも受け入れるべきとは言いません。前者であればサービスの範囲外になりますし、後者であれば平等のサービスを提供するために必要な措置を取ることになります。それでも、立ち止まって考えてほしいのです。店の備品を壊したお客様を警察に突き出すのはスマートでしょうか。他のお客様に迷惑をかけるお客様を追い出すのはスマートでしょうか。最良の応対をすれば誰もが最小の害を被るだけで済むのではないでしょうか。難しいことと思います。誰にでもできるとは言いません。ただ、目指すべきではあります。それが良いサービスというものでしょうし、自身の人間的成長にもつながります。