カメリアの記事

意味があることやないことを綴ります

レビュー - 自分の小さな「箱」から脱出する方法

この本を読み始めるのに先立って、根を同じくする考え方で父との関係修復に乗り出している。すっかり具合よくなったわけではないが、以前より良好なコミュニケーションが取れるようになった。時間をかけて徐々に何かを取り戻していけるような手応えを感じている。

この本は人間関係の問題について書かれているが、話の根は個人的なもので自己の理解にあるように思う。自分を正当化する意識が周囲を否定する心理につながる、というようなことが書かれていた。つまり人間関係に限らず、例えば仕事との、趣味との、ドライビングとの向き合い方にも応用できる考え方と言える。

自分の不親切な行動を正当化するため相手の悪いところに注目してしまう心理作用が取り上げられている。相手が親切にしてくれないから自分が親切にしないのも当然だ、というわけだ。この解釈が正しくあり続けるには、相手が不親切でなければならない。そこで自分の心理は相手の不親切な言動を内心で歓迎してしまっている、とされている。

要約したような文章では理解に及ばないかもしれないが、この本一冊を通してゆっくり噛みしめていけば、いくらか分かりやすいものと思う。