カメリアの記事

意味があることやないことを綴ります

レビュー - 「うまく」「はやく」書ける文章術

どちらかと言えばブログ記事を書くためのハウツー本といった感じ。文章術の一般的な指南はおまけくらいにしか書かれていない。文章を公開する際の心構え「読者に貢献すること」であるとか、情報収集の方法であるとかがメインになっている。

全体的に作者の軽快な人生観が感じられるような語り口だった。準備段階についての記述では、言っていることは正しいがすぐに実行するのは難しい、と感じるものもあった。

まず示されるのは文章作成の全体像だ。上述した「うまい文章」とはから始まり、情報収集の心構えなど、文章作成以前の取り組みが重要であるとして、その概要が示される。文章術のハウツー本ではしばしばこのことが重要であると取り上げられるが、各著書によって切り口が異なっている。この本にはこの本にしかない考えがあるように思う。

続いて「あっち情報=自分の外側の情報」「こっち情報=自分の気持ち・思ったこと」それぞれについて詳述される。どのように集めるか、どのように探り出すかが丁寧に説明されていて分かりやすい。

さらには文章の内容をどう選ぶのか、どう探し出すのかが書かれている。具体例が詳しく理解しやすい。この段階になるといよいよ文章作成に入っていくところとなり、本丸に踏み込んだ感がある。

そして具体的に文章構成をどうするか、「文章あてはめフォーマット術」としてテンプレートが示される。文章の定石と言えるものだろう。

番外編として SNS での有効な文章術が一章を使って書かれている。ちょっと人間関係についても指南されていて、一般的なネットリテラシーを教示しているという部分もあるようだ。

最後に、書いた文章を削って磨き上げる重要性と方法が説明されている。このあたりは本来の意味であろう「文章術」についての指南だ。無駄な文を削ることや、係り受けの最適化、読点の打ち方など。

目次

  • 第 1 章 文章の良し悪しは「情報整理」で決まる!
  • 第 2 章 「あっち情報」を集める
  • 第 3 章 「こっち情報」を集める
  • 第 4 章 レバレッジを最大化する「見取り図」ワーク
  • 第 5 章 文章あてはめフォーマット術
  • 第 6 章 SNSで使える文章術
  • 第 7 章 完成度をカクダンに高める「磨き上げの技術」