カメリアの記事

意味があることやないことを綴ります

小説的解釈「理工系のためのよい文章の書き方」

理工系のためのよい文章の書き方」について小説制作に応用すべく注釈を加える。詳細については当該書籍を参考にされたい。

  • 第 1 章 七つの原則
    • 1 - 1 「主題文」をまず書いてみよう
    • 1 - 2 読み手を意識する
    • 1 - 3 大事なことは早く書く
    • 1 - 4 驚き最小原則
    • 1 - 5 読み手は先を予測しながら読んでいる
    • 1 - 6 事実に基づいて、正確に書く
    • 1 - 7 再現性:読み手が同じことを再現できるように書く
  • 第 2 章 構成を練る
    • 2 - 1 既知の情報から新しい情報へとつなげよう
    • 2 - 2 基本は「導入・本論・展開」の三部構成
    • 2 - 3 三部構成のパーツを組み合わせる
    • 2 - 4 順列型と並列型
    • 2 - 5 本論は「IMR」
    • 2 - 6 「つなぎ」が主張を明確にする
    • 2 - 7 接続詞が文脈を作る
    • 2 - 8 パラグラフ・ライティング
  • 第 3 章 確実に伝える
    • 3 - 1 厳しい読み手になろう
    • 3 - 2 「なぜ」の不足:理由を補って主題の立ち位置を明確にする
    • 3 - 3 「なぜ」を繰り返す
    • 3 - 4 全体から詳細へ
    • 3 - 5 助詞の使い方を見直そう
    • 3 - 6 文脈をうまく流すには
    • 3 - 7 背景説明は最短経路に絞る
    • 3 - 8 起きたことを時系列で語らない
    • 3 - 9 曖昧な表現を避ける
    • 3 - 10 修飾語と被修飾語の関係を改善する
    • 3 - 11 主語と述語についての心得
  • 第 4 章 ライティングの実技
    • 4 - 1 とにかく書いてみる
    • 4 - 2 「とにかく書く」ための箇条書き活用法
    • 4 - 3 何度も書く
    • 4 - 4 理工系論文の書き方
    • 4 - 5 論文概要は「起承転解結」
    • 4 - 6 引用の仕方
    • 4 - 7 図表の書き方

第 1 章 七つの原則

1 - 1 「主題文」をまず書いてみよう

POINT!

  • その文章が伝えようとしていることはなにか? をまず明らかにしよう
  • 主題を一文にまとめた「主題文」を最初に書き、それを参照しながら文章を書こう
  • 主題文の結論は、曖昧にせずはっきりと言い切ろう

小説では

ログラインにあたる。この本にある解説をそのまま参考にすることができる。

1 - 2 読み手を意識する

POINT!

  • 読み手は文章を「背景知識」と照らし合わせながら読んでいる
  • 読み手の持つ背景知識を想定し、それに合わせて無精を書こう
  • 未来の自分も他人。自分用の文書であっても客観性を意識して書こう

小説では

読み手を意識する点は同じだ。読者とするターゲット層を想定してどんな知識を持っているか、どんな感覚でいるのか、ということを意識する。

例えばファンタジーにおいて広く受け入れられるにはファンタジー特有の要素はしっかり説明することとなる。コアなファンに向けるなら定番の設定をいちいち説明しないほうがいい。

1 - 3 大事なことは早く書く

POINT!

  • もっとも大事なことは、真っ先に読み手に伝えておこう
  • 読み手の行動を喚起することを目指そう

小説では

冒頭で作品の色を示すことは、早い段階でターゲットとなる読者に「あなた向けですよ」と知らせることとなる。得たい読者にリーチできるのだ。

勧善懲悪なのか、悪には悪の事情があるのか。恋愛ものにしても、かすかに別れを予感させれば悲劇を好む読者に訴求できる。

テーマを示唆するとも言える。

1 - 4 驚き最小原則

POINT!

  • 書き方で驚かすのではなく、内容で驚かそう
  • 「読みやすい文章」のヒントは、「使いやすい道具」にあり
  • 複数の書き方でどれがよいか迷ったら、読み手にとって驚きの少ないものを選ぼう

小説では

おおよその場面で無用な驚きは避けるのがいい。読むのに疲れてしまう。ここぞという場所での驚きが、狼少年の効果で薄れてしまう。

この本では、内容で驚かすのであって書き方で驚かす場所は存在しないとされている。小説では事情が異なり、場合によっては叙述トリックが使われることもある。

1 - 5 読み手は先を予測しながら読んでいる

POINT!

  • 文章を読むとき、読み手は常にその先の展開を予測しながら読んでいる
  • 予測が当たりやすい文章を書くと、読みやすくなる
  • 読み手の予測を、書き手の主張する内容へ向けて誘導しよう

小説では

前節 1 - 4 と同じことが言える。狙った場所で予測を裏切るのがいい。それは会話単位でもシーン単位でも、また節や章の単位でも等しく言うことができる。

また、読者の予測を間違ったほうへ誘導して誤認させる技術もある。意図するポイントで誤解を解いて驚きを与えるのだ。そのとき自然に予測をコントロールすることが必要になる。

1 - 6 事実に基づいて、正確に書く

POINT!

  • 自分が調べたこと・作ったもの・実験結果などの客観的事実を正確に記述しよう
  • 意見や判断は、事実と混ざらないよう明確に分けよう
  • 判断の主権は読み手にあり、書き手は判断材料を読み手に渡すことが使命と心得よう

小説では

事情が異なる。小説では書かれたことが事実だからだ。その点での心配はない。

「地の文=物語の話者」が共感できないことを言いだすと話は変わる。読者にとってだけ常識で世間の常識になっていないことを書くと共感が生まれない。下手をすれば読者の気持ちが離れてしまう。例えば下のようなものだ。

小学校教師である主人公が生徒に謝罪するとき最敬礼した、などすると異常を感じる。特別な理由があれば別だが、今の時代でも教師が子供に対して最敬礼するのは常識的でないはずだ。

1 - 7 再現性:読み手が同じことを再現できるように書く

POINT!

  • なにかの手順を説明する文書では「再現性」が大事
  • 読み手がそれを再現できるのに十分な情報を提供すること
  • 曖昧な箇所がないか何度も点検しよう

小説では

直接当てはめることはできない。多少こじつけになってしまう。

物語は読者の感情を扱うものだ。感情を正確に誘導するのがいい。著者の意図するとおり読者が喜んだり悲しんだりするよう気を配る。読者の心の中で感情を再現させるのだ。

第 2 章 構成を練る

2 - 1 既知の情報から新しい情報へとつなげよう

POINT!

  • 読み手は既知の情報を手がかりにして新しい情報を理解する
  • 情報を与える順番を意識して、理解しやすい文章を仕上げよう

小説では

話を順序よく並べるのは理解のしやすさにつながる。事前に知っておくべきことは事前に書くのがいい。場合によっては後から知ることで意味のある情報もある。

最終的に読者に与えたい感情へ向かって無用な飛躍が発生しないようスムーズに感情を導くことが求められる。

2 - 2 基本は「導入・本論・展開」の三部構成

POINT!

  • 文章全体を「導入」「本論」「展開」の三部構成にしよう
  • 「導入」で読み手を引き込み、「本論」でじっくりと情報を伝え、「展開」で読み手にお土産を持たせよう

小説では

三幕構成に当てはめられる。

  • 導入=第 1 幕、オープニングと冒頭部
  • 本論=第 2 幕、葛藤や対立を通してのテーマ伝達
  • 展開=第 3 幕、エンディング

というものだ。

主人公が問題と対峙して後には引けなくなる場面までが導入部だ。この間に世界観や第 2 幕の前提になる情報を提示する。

本論では葛藤や対立を使ってテーマを伝える。本論の最後では葛藤、対立に決着がついて結果が出される。

エンディングにあたる展開は読後感に大きな影響を与える。お土産を持たせるのだ。登場人物のその後が描かれたり、新たなる旅立ちが演出されたりする。

2 - 3 三部構成のパーツを組み合わせる

POINT!

  • 文章のまとまり = パーツを組み合わせて大きな文章を構築しよう
  • パーツ自体も三部構成で書こう
  • パーツが大きいときは、小さなパーツに分割しよう

小説では

作品全体、シーケンス(=シーンの集まり)、シーン、ビート(=登場人物同士のやり取り)に至るまで「始まり、中間、終わり」の構成にするのがいい。

シーンの最初にシーンのテーマ(安く買えるかなど)を示せば葛藤や対立がはっきりとして分かりやすい。

シーンの中間でやり取りが交わされて最終的にテーマの答えが出る(安く買えたかなど)。

終わりに次のシーンへのつなぎが入る。

2 - 4 順列型と並列型

POINT!

  • パーツを順につなげる「順列型」と、並べて俯瞰する「並列型」を使い分けよう
  • それぞれの型に合わせて「導入」と「展開」の位置づけを工夫しよう

小説では

通常は順列型で書くだろう。並列型は例えば A 地点と B 地点それぞれで進行する話を細切れにして A と B を交互に書くことになる。文章としてややこしくなるが、複数人による戦闘シーンなどは並列型がいい。

2 - 5 本論は「IMR」

POINT!

  • 本論には「問題」「手段」「結果」の三つを書こう
  • 準備段階では「問題」と「結果」から書き始めると、主張が明確になる
  • 「問題」と「結果」とがきちんと対応しているか、確認しよう

小説では

三幕構成の第 2 幕は問題と対峙するところから始まる。これが「 I = Issue 」だ。

そして問題を主人公がどう対処するかが示される。これが「 M = Method 」だ。

最後に問題への対処の結果が出る。これが「 R = Result 」となる。

2 - 6 「つなぎ」が主張を明確にする

POINT!

  • 情報と情報の間に「つなぎ」を挟むことで主張は明確になる
  • 「つなぎ」で読み手の予測精度を高めることが読みやすさにつながる
  • いろいろな大きさの「つなぎ」を使いこなそう

小説では

適切な場面で、接続詞を使ったり、段落と段落の間につなぎの文を設けると読みやすくなる。話が具合よく流れるからだ。

ただし小説では接続詞を嫌う向きもある。谷崎潤一郎も三島由紀夫も、現代では直木賞作家の三田誠広も接続詞を使わないよう言っている。全く使わないという話ではないが、少ないほうがいいようだ。場合によっては使わないほうが驚きを提供できることもある。下のようなものだ。

  • A は B を殴った。しかし B は喜んだ。 B はマゾだったのだ。
  • A は B を殴った。 B は喜んだ。 B はマゾだったのだ。

接続詞「しかし」が抜けても文章が成り立っているし、驚きが生まれる。

2 - 7 接続詞が文脈を作る

POINT!

  • 接続詞で情報をつないで主張を明確にしよう
  • 接続詞を「つなぎ」に使って、続く文章の内容を読み手に予測させよう

小説では

接続詞については前節で述べた。

2 - 8 パラグラフ・ライティング

POINT!

  • 段落(パラグラフ)は文章の基本単位。パラグラフを積み重ねるように文章を書こう
  • 一つの段落には、一つの役割だけを与えよう
  • 段落の冒頭の一文でその段落の主張がわかるように書こう

小説では

段落を作ると読みやすい。視認性の上でも、意味を理解する上でも読者にとって好ましい文章になる。

段落は大まかな意味が同一のものを単位にする。例えば回廊を進む描写と、扉を見付けて中の様子を描写する部分は別の段落にすることになる。

静的な描写の際には段落の冒頭に要約の一文を置くと読みやすい。前述の例で言えば扉の中の描写をするときに「扉の向こうは広い空間だった」などとし、概要を説明する。

第 3 章 確実に伝える

3 - 1 厳しい読み手になろう

POINT!

  • 他人の視点から文章を読み返す習慣を身につけよう
  • 書かれている通りに読むことを意識しよう
  • 声を出して読むのも効果的

小説では

作品を楽しめるか確かめるように読むのも重要だが、厳しい目で読む必要もある。

意味が伝わるかどうか他人の目線でチェックしたり、「その文は本当に必要ですか?」と問いながら読んだりする。必要かどうかについては文だけでなく語や句、段落などにも及ぶ。

原稿は寝かせてから読む。スティーヴン・キングは6週間(一月半)以上寝かせて読むらしい。他人が書いた文章に見えるくらいがいいそうだ。最低でも3日は寝かせたい。

3 - 2 「なぜ」の不足:理由を補って主題の立ち位置を明確にする

POINT!

  • 「なにを」「どのように」だけではなく、「なぜ」も書こう
  • 自分のやったことを他の選択肢と比較しよう
  • 読み手が考える「普通の選択肢」を予測しよう

小説では

「なぜ=理由」が容易に想像できない言動については、理由が分かるようにする。理由がなければ引っかかりになってしまう。

主要な登場人物の目的について、その理由を示すと説得力が増し共感を生む。読者は登場人物を理解できるので引き込まれることになる。

目的を果たすために主人公が取ったのとは別の方法を示すことは効果的だ。ライバル(敵役など)が主人公とは異なる邪な方法を選んで敗北すればテーマが浮かび上がって面白さを増す。

3 - 3 「なぜ」を繰り返す

POINT!

  • 主張に対して「なぜ」を繰り返し適用し、問題の本質を見つけ出そう
  • 書き手と読み手との知識ギャップを埋めるまで繰り返そう
  • 「なぜ」がうまく書けない箇所にこそ本質が隠れている

小説では

テーマに対して「なぜ=理由」を問うことは有用だ。例えば「強さ」をテーマにしたとき、なぜ強さが必要なのか問うことは作品の中で何を描くのかを明確にする。この例で「強さ」の理由を繰り返し問うた先で「強さがなければ幸福をつかめないから」となれば、作品中で本当の強さを持っていなかった敵役が敗退する必要性に気付ける。

3 - 4 全体から詳細へ

POINT!

  • まず全体像を示してから詳細情報を書こう
  • 詳細情報は既有知識とつなげやすい順番で示そう
  • 話の主軸がわからなくなったら文章を書く手を止めてよく検討しよう

小説では

作品全体を通して実施することはできない。細部で用いれば有効だ。段落単位ほどの描写であればまず情景の中で重要なポイントを挙げた後に詳細の説明をすれば分かりやすい。

3 - 5 助詞の使い方を見直そう

POINT!

  • 「てにをは」といえど甘く見てはダメ。適切な助詞を選ぶ原則を身につけよう
  • 助詞は読み手に次の展開を予測させる「つなぎ」
  • 曖昧な助詞は避け、主張を明確にする言い回しを使おう

小説では

「てにをは」には「てにをは辞典」なるものが存在するくらいに用法が重要かつ難しい。適切に使用しないと意味が正確に伝わらない。

3 - 6 文脈をうまく流すには

POINT!

  • 段落と段落とを滑らかにつなげると、文脈がうまく流れていく
  • 流れがいまひとつに思えたら、段落の中身を前後の段落から補間できるか試してみよう
  • 補間したものと食い違いが大きいときは、前後を含めて構成を再点検しよう

小説では

段落間のつながりは重要だ。断裂していれば場面転換になってしまう。これでは読者へ正確に伝えることができない。

3 - 7 背景説明は最短経路に絞る

POINT!

  • 大事なことを素早く読み手に伝えることに集中しよう
  • 背景説明は、一番大事な主張に対してのみ、簡潔に
  • 自分が勉強した証拠を示すために書かないこと

小説では

壮大なバックストーリーを書きたくなる。だがテーマを示すことが必要十分条件となる。テーマを十分に表現できていれば、それ以上のものは蛇足だ。

作者として作り上げた背景は誇らしく衆目に訴えたくなるものだ。読者も欲しているかもしれないが本編をけがすことは避けたい。どうしても書きたいなら別にするほうがいいだろう。

3 - 8 起きたことを時系列で語らない

POINT!

  • 自分が体験したことを起きた順に書かないこと
  • 主題を最短経路で語り、その他のことは書かない
  • 苦労話や自慢話は誰も読みたくない。バッサリ削ろう

小説では

テーマを示すのに必要ないことは書かない。バックストーリーもそうだが、書きたいからといって書いてしまうのはまずい。作品をつまらなくする。

学生である主人公が家を出て学校に到着するまでに起こったことを必要もないのに書いてはいけない。読者はそこに意味を見出そうとする。ストーリー上の意味がなければ混乱してしまう。

3 - 9 曖昧な表現を避ける

POINT!

  • 人に主題を伝えると決めた以上、曖昧な言葉で誤魔化さない
  • 文章が曖昧になりやすいパターンをおさえ、厳しい目で読み返そう
  • 曖昧さは書き手の責任。日本語のせいにしてはダメ

小説では

表現は具体的なほうがいい。イメージが鮮明になり伝わりやすくなる。例えば「社長は数人の部下とともに現れた」とするより「社長は 5 人の部下とともに現れた」とする。

「など」「とか」というような曖昧さを含む語は必要なければ書かない。例えば「ギルドの中には戦士や魔法使いなどがいる」とせず「ギルドの中には戦士や魔法使いがいる」としても同じ意味として伝わる――ここでは「や」が重要な役割を果たしている――。

3 - 10 修飾語と被修飾語の関係を改善する

POINT!

  • 修飾語と被修飾語との関係が読みやすさを大きく左右する
  • 原則をおさえて修飾関係を改善しよう
  • 迷ったら幾通りも書き出してみて、よいのを選ぼう

小説では

同じことが言える。この本の例を引用すれば「青い魚をくわえた猫の子がいる」とすると何通りにも読むことができる。魚が青いのか、猫の子が青いのか、分かりにくいが親猫が青いとも取れる。 2 文に分けることも考えたい。

3 - 11 主語と述語についての心得

POINT!

  • 主語と述語の距離が離れるとわかりにくい文になりやすい
  • 不用意な二重主語文に注意しよう
  • 主語と述語とが競合しているか、確認しよう

小説では

同じことが言える。

第 4 章 ライティングの実技

4 - 1 とにかく書いてみる

POINT!

  • とにかく書き出そう。書いているうちに書けるようになる
  • 書いてみれば、何が足りないか、何が書きたいかがわかってくる
  • 余裕をもって書こう。締切間際になって書き始めないこと!

小説では

同じことが言える。

4 - 2 「とにかく書く」ための箇条書き活用法

POINT!

  • 「とにかく書く」ための道具として、箇条書きを活用しよう
  • 各項目は、トピックセンテンスに使えるくらい主張を明確に
  • 箇条書きは頻繁に修正する。パソコンを使って書くと便利

小説では

同じことが言える。

4 - 3 何度も書く

POINT!

  • よい文章を書くには「書き直し」をためらわないこと
  • 難しいのは、一番よい文を選ぶこと。日頃から読む目を鍛えておこう
  • 最後には文章をギュッと絞り込む。5%は削ろう

小説では

推敲が重要だ。書き直しも必要かもしれない。最初に書いた文章は仮のものだと思うといい。おおよその流れを書いておいて後に書き直す。

4 - 4 理工系論文の書き方

POINT!

  • 理工系論文は「定石」にのっとって書く
  • 論文 = 序論・背景(導入)+ IMR(本論) + 議論・結論(展開)
  • 定石は分野によって少しずつ異なるので、手本となる論文やガイドラインを参考にすること

小説では

2 - 2 でも、この本で紹介されている方法が三幕構成と似ていることを示した。理工系論文と小説は相性がいいようだ。

4 - 5 論文概要は「起承転解結」

POINT!

  • 論文概要は 10 秒で理解できる文を目指そう
  • 字数制限の厳しい論文概要は、行単位で型通りに書こう
  • 「起承転解結」の詩を書くつもりで!

小説では

粗筋として考えると、ネット小説サイトに掲載するには向かない。コンテストでの粗筋として有用だ。「起承転解結」について下のように解釈できる。「結」は不要かもしれないが。

  • 起:前提となる背景
  • 承:第 2 幕につながるより踏み込んだ背景
  • 転:どんな問題が起こるのか、事態の説明
  • 解:問題を解決した手段と結果
  • 結:物語のテーマに関する結論

4 - 6 引用の仕方

POINT!

  • 他者の記述と自分の意見との境目を明確に!
  • 理工系論文では文章の引用は控え目に。簡潔に要約すること
  • 文献情報の書き方は決められている場合が多いので、よく確認を

小説では

この節は無関係だろう。

4 - 7 図表の書き方

POINT!

  • 図や表にも、文章と同じく作法がある。読み手の立場を意識しよう
  • 人の論文から見やすい図表の作法を見習おう
  • まっさきに図表に目を通す読み手も多いので、気を配ること

小説では

この節は無関係だろう。