テキストエディタの「VS Code」(パソコン用、無料)と、プログラミング言語の「JavaScript」を使って小説制作している。プロットを作成するのも設定を書いておくのもVS Codeだ。本文は執筆に有用な書き方だけど読者に見せるには適さない形でやっていて、JavaScriptで処理したものを読者に提供する。
僕はこの制作方法が最適だと思っているけど、一般にお勧めできるかというと難しい。プロット作成や本文執筆を特殊なやり方でやるからVS Codeの機能が際立って有用になるんだけど、そういう「特殊=僕流」を使わないならVS Codeは有用ではあるけど取っ付きにくいアプリだ。
VS Codeは「テキストエディタ」と書いたけど正確には「コードエディタ」とするべきだろう。プログラミングに特化しているからだ。そういう意味で文章作成とは方向性が違う。ただMicrosoftが本気で作っているので、そこらの無料テキストエディタでは及ばない部分がある。この優れた機能が小説制作にも役立つので有用ではある。
他方で、プログラミングしない人にはとにかく取っ付きにくい。設定項目や設定方法なんかもあくまでコードエディタとしてのもので、そのあたりを知っていないと訳が分からない。使うにはそういうことから慣れていかないといけない。
世間では小説の本文執筆にWordを使うことも多いようだ。そもそもテキストエディタで書くというのが特殊なほうに属する気がする。執筆と言えばWordというのは分かりやすい構図だし、そんなものなんだろう、と思う。表記揺れをチェックしてくれるなどはテキストエディタにはない機能だし。
プロットにも触れておきたい。箇条書きの応用タイプのプロットなんだけど、制作中の作品では1000行以上になっている。特殊な記法とVS Codeの機能によってここから「主人公のプロット」だとか「特定のアイテムに関する流れ」だとかを抜き出して見ることができる。多用する使い方ではないけど、これが可能だからこそ1000行を超えても「コントロールできている」という安心感がある。
全体としてすっかり自分流の環境や制作法になっている。一般的でない方法を取るほどその環境は変化に弱くなる。変化というのは世のすう勢だ。VS Codeが廃れたら僕の方法は崩壊する。危険なやり方だな、とは思うけど自分にとっての最適を求める気持ちは粘り強く、少しずつ確実に制作環境を変化させていくのだった。