カメリアの記事

意味があることやないことを綴ります

落書き - 中世ヨーロッパ風ファンタジー世界の食事

食事のタイミング

Geminiに盛期中世ヨーロッパにおける食事のタイミングをたずねたら以下のようだった。ざっくり貴族と農民は朝夕、聖職者は昼、に食事をするらしい。

論文 著者 出版 対象 食事回数 食事内容 特徴
The Food and Eating Habits of Medieval Peasants Richard Britnell 1996 農民 1日2食(朝食と夕食) 朝食:パン、チーズ、スープなど軽食 夕食:パン、野菜、肉または魚 朝食は軽食、夕食は主食とおかず
The Feasting of the Nobility: Food and Drink in Late Medieval England Martha Carlin 2002 貴族 1日2食(朝食と夕食) 朝食:パン、チーズ、果物、ワインなど軽食 夕食:肉料理、魚料理、野菜料理、パン、ワイン 朝食は軽食、夕食は豪華
The Diet of Medieval Monks Christopher Dyer 1989 修道士 1日1食(正午頃) パン、野菜、スープ、魚 肉は特別な日以外は食べない
Food in the Middle Ages: A book of recipes and historical essays Constance B. Hieatt and Sharon Butler 1985 一般 1日2食(朝食と夕食) 地域や身分によって異なる  
A Social History of Food Sidney Mintz 1985 一般 1日2食(朝食と夕食) 地域や時代によって異なる  
The Medieval Cookbook Maggie Black 2003 一般 1日2食(朝食と夕食) レシピ集  

現代の食事が朝昼晩の3食であることを踏まえて作品中でどう描くか。たぶん都合がいいのはどの階級も現代と同じ3食することだ。感覚的になじみがあるし何かしらイベントがあったほうが話を作りやすい。昼食があって不都合なら食べなかったことにすれば済むのだし。

だけどそう大きな違いはない。ならば現実の中世ヨーロッパに合わせていきたい。とはいえ、だ。食事が増える分には違いがわかりやすいけど、減るとよくわからない。だからあまり意味がないかもしれない。

ジャガイモやトマト

ラノベではジャガイモやトマトが登場する作品が多くある。他にもトウモロコシ、ピーマン、カボチャ、パプリカ、ナス、枝豆、オクラ、ズッキーニが挙げられる。これらはおよそ大航海時代に伝来したものだ。中世ヨーロッパには存在しない。

一昔前にこういった野菜を登場させるのは警察の登場を招いた。昨今ではその文化も廃れただろう。しかし実在しなかったことを知りながらあえて登場させるのは僕としては控えたい。料理を特色とする作品を書く予定はないし。

どんな野菜類があったのか、一応挙げておく。ちなみにGemini情報だ。

根菜類

品目 原産地 用途 栽培地
カブ ヨーロッパ 煮込み料理やスープ ヨーロッパ各地
ダイコン ヨーロッパ 漬物や煮物 ヨーロッパ各地
ニンジン アフガニスタン 煮込み料理やサラダ 地中海沿岸地域を中心
ビーツ 地中海沿岸地域 スープやサラダ 地中海沿岸地域を中心
タマネギ 中央アジア 煮込み料理やスープ、サラダ ヨーロッパ各地
ニンニク 中央アジア 薬味や調味料 ヨーロッパ各地
リーキ 地中海沿岸地域 スープや煮込み料理 地中海沿岸地域を中心

葉菜類

品目 原産地 用途 栽培地
キャベツ 地中海沿岸地域 煮込み料理やサラダ 地中海沿岸地域を中心
レタス 地中海沿岸地域 サラダ 地中海沿岸地域を中心
チシャ 地中海沿岸地域 サラダ 地中海沿岸地域を中心
セロリ 地中海沿岸地域 スープや煮込み料理 地中海沿岸地域を中心
パセリ 地中海沿岸地域 薬味やハーブ ヨーロッパ各地
ソレル ヨーロッパ スープやサラダ ヨーロッパ各地
ホウレンソウ 西アジア 煮込み料理やサラダ 地中海沿岸地域を中心

豆類

品目 原産地 用途 栽培地
ソラマメ 地中海沿岸地域 煮込み料理やスープ 地中海沿岸地域を中心
レンズ豆 西アジア スープや煮込み料理 地中海沿岸地域を中心
エンドウ豆 ヨーロッパ スープや煮込み料理 ヨーロッパ各地

果菜類

品目 原産地 用途 栽培地
キュウリ インド サラダや漬物 地中海沿岸地域を中心
メロン 中央アジア デザート 地中海沿岸地域を中心

その他

品目 原産地 用途 栽培地
キノコ ヨーロッパ各地 スープや煮込み料理 ヨーロッパ各地
アスパラガス 地中海沿岸地域 スープや煮込み料理 地中海沿岸地域を中心

魔物の肉

魔物が動物的であるなら当然その肉を食べたらどうかという発想が生まれる。しかしそれは魔物の肉が食肉として供給されればの話だ。「落書き - 中世ヨーロッパ風ファンタジー世界の魔物」を前提とすれば特殊な場合にのみ遭遇する。魔物の肉を食べるということにはならない。

しかし魔物の肉がスーパーで売られている感覚で供給されないとしても、迷宮の奥に潜むミノタウロスを倒したら、それを食べることも可能だろう。そういう作品があってもいい。あってもいいけど、僕の作品ではない。

落書き - 慣用句って罪深い

書籍「微妙におかしな日本語」は実際に使われている慣用句について正解・不正解を解いたものだ。一概に正しいか間違いかを指摘するのではなく、間違いに見えるものでも端緒をたどって「間違いとも言い切れない」というようにしているのが面白い。

次の項目が立っている。

  • 物議を醸す
  • 物議を醸し出す
  • 物議を呼ぶ
  • 物議を起こす

「物議を醸す」がそもそもの使われ方だとしているが、文化庁の「国語に関する世論調査」や国研のコーパス、古くは 1902 年の正岡子規の著作にまで及んで、どれも間違いとする根拠はない、としている。

それにしても慣用句はずるい。既に知れ渡っているから似た言葉は間違いだぞ、と言っている。まるで商標登録。文筆活動をしている身なら新しい比喩を使うのは普通のことだ。醸し出したって、呼んだって、起こしたっていいはずだ。だけど既存の言葉に似ていたら「あ、◯◯の間違いだ」と思われてしまう。言葉の広がりが奪われている。

そうだろうか。多くの人にとって慣用句は言葉を広げている。多くの表現を与えることで言葉が豊かになっているはずだ。

これは慣用句が諸刃の剣であるということだろう。誰にでも容易に比喩表現が使える仕組みである一方で、新しい比喩表現の誕生を拒んでいるのだ。罪深いやつである。

落書き - 中世ヨーロッパ風ファンタジー世界の木こり・炭焼き

落書き - 中世ヨーロッパ風ファンタジー世界の魔物」「落書き - 中世ヨーロッパ風ファンタジー世界の魔法」に根ざして考えると、おおよそ実際の中世ヨーロッパ世界と同じような世界になるような気がする。

だけど森の深くに強力な魔物が生息していることになっているので、木こりや炭焼きは事情が変わってくるかもしれない。森の比較的浅い場所で活動していたと考えれば影響はないのかもしれないけど、このあたりは実際の資料に当たってみないとなんとも言えない。

資料はなかった。Geminiに聞いた。村から1~3日、数キロから数十キロメートルのところで活動していたみたいだ。信じていいのかわからないけど、妥当な感じがする。というか資料を問い質したら書籍や論文の名が出てきたからいいや。この点は資料を問うとごまかすChatGPTより好印象だなぁ。

で、

木こり・炭焼きはけっこう森の奥で活動していたようだ。それよりも奥に魔物がいるとするとかなり縁遠い存在になる。いや、それでいいのだ。この点は前述の記事に追記しておかないといけないかなぁ。

で、

そう考えると木こり・炭焼きの活動範囲が現実と変わることはないのかな。ちょっとこう、ゴブリンとかと戦える強い人たちということになるのかもしれないけど。案外ゴブリンと仲良くやってるのかもしれないし、棲み分けがあるのかな。お互いにあまり干渉しないけど、なんか不器用な交流があったり。そういうのは物語の一幕として描けるのかもしれない。

落書き - 筋論

筋論。僕は初めて目にしたかもしれない語だ。辞書を引くと大辞林には――

物事の筋道を通すことを優先する立場の理論。

――とある。物事の本筋を論じたものではないらしい。これは世間的に誤解されているかもしれないなぁ、なんて思うんだけど、僕は知らなかったわけだしみんなも知らないかもしれない。なんにせよ使う際には理解が得られるかどうか考えないといけない語のように思う。

物事の筋道を通すことを優先する論というのは僕自身はやりがちな気がする。最初に出すべき答えがあって、それに都合のいい資料ばかりを集めて、それで「やっぱりそうだろう」と決めつける。だって反証とか面倒臭いじゃん。なんかね、論文を書かなかった人はそういうところがダメな気がする。そういうとこちゃんとやる感覚が育ってないといけないね。

世間的に非難されるのを聞いたことがある。なんだかよく覚えていないけど、原発建設とかで安全である調査結果を採用して危険である調査結果を隠蔽するとか。あったのか、そう批判されただけなのか、どうかよくわからないけど。利権が絡むとしばしば起こりそうだなぁ。

しかし僕が個人的にやってしまうというのは、やっぱり自分にとって都合のいい結果だけ目にしたい、という原初的な欲求がさせるのだろう。同じ資料を読んでも自分に都合のいい記述だけを拾い上げてしまう、というかそういうのばっかり目に付く、というのはありそうだ。仕方ないねぇ、これは。

落書き - あなたの意思は存在しない

僕もあなたも確固たる意思が存在している。ような気がしている。いや、だって、現に自分の意思で選んでこの記事を読んでいるじゃないか。でもそれって、周囲からの影響を受けて反応しただけなのでは?

犯罪者はいつから犯罪者か

犯罪が起きたとして、その犯罪を起こした人はいつから犯罪者と言えるだろうか。犯罪が成立した瞬間だろうか。犯罪を実行している最中に犯罪者になるのだろうか。凶器を振り上げた瞬間か。犯罪を行おうと決心したときかもしれない。いや、将来的に犯罪が行われる可能性が濃厚になった時点で犯罪者と言えるのではないか。そうやって考えを進めると、犯罪者は生まれたときから犯罪者なのかもしれない。

犯罪者を形作ったのは何か

そんなバカは話はない。生まれてきたときにはあらゆる可能性を秘めていたはずだ。家族にとっての天使は、どうして犯罪者になってしまったのだろう。それは生まれ持った性質に、家族の影響、学校・社会の影響を受けて犯罪につながっている。本人の魂は元々穢れがなかった。本人が穢れようとしたのではない。周囲が良かれ悪しかれ影響して、犯罪者が生まれたのだ。

あなたを形作ったのは何か

であるなら、僕らはどうだろう。犯罪者としてではない。今の自分を形作っているものとはなんだろう。生まれてきたときは無垢なものだった。穢れなき魂であり、成功しようとも失敗しようとも思っていなかった。そこに家族や学校や社会の影響が加わって今の自分がある。あなたを形作っているのは生まれ持った性質と周囲からの影響が100%だ。

あなたの意思は存在しない

するとどうだろう、あなた自身の固有の、他の誰のものでもない意思というのは存在しうるのだろうか。上述であなたを形作ったのは生まれ持った性質と周囲からの影響だとした。生まれ持った性質とは与えられたものであり、両親に帰依するものだ。あなた個人が自分の力で取得したものではない。周囲からの影響にも同じことが言える。あなた個人が自分の力で取得したものではない。

ある時点を抜き出して検分すれば、あなたは固有の意思を持っている。しかしその意思がどこから来たのかと考えた途端、立つ瀬がなくなってしまう。全ては与えられたものだからだ。あなたの意思は存在しない。